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あじさいは、鉢物、地植え、切花など手軽に様々な楽しみ方のできる植物です。丈夫で大変育てやすい性質のため、ご家庭で育てている方も多いのではないでしょうか。
色の種類が豊富で色とりどりの花を咲かせるあじさいは「七変化」とも呼ばれ、土壌の性質によって花の色を変えるのも特徴のひとつです。花の色は、含まれるアルミニウムの量で決まると言われており、アルミニウムは土壌から摂取されます。酸性の土壌では花の色が青、アルカリ性の土壌では赤というようにリトマス紙とは反対の性質を持っているようです。
「水の容器」という意味のhydrangeaという学名のとおり、あじさいは大変に水を好みます。育てる上では、水を切らさないように注意が必要です。毎日もしくは2日に1度は水をたっぷりと与えた方が良いようです。
贈り物として人気のある鉢物のあじさい。あじさいの時期になると花屋さんに鉢植えのあじさいが並べられているのを見かけます。
一言に鉢植えといっても、花の色や形は様々。ちょっとのつもりで花屋さんをのぞくと、つい長居してしまいますね。花を楽しんだ後は、根づまりの心配もあるので地植えをしてあげると来年も綺麗な花を楽しめると思います。
いわゆる、あじさいの名所といわれる所へ行くと、あじさいが傾斜地に植えられていることが多いように感じます。あじさいは水が大好きだけど、ある程度の水はけも大事なようですね。
そして、直射日光より木漏れ日を好みます。大きな木の葉が茂った影にある、宗吾霊堂のあじさい園はあじさい育成には、ちょうど適した場所だったりします。
一般的に、あじさいを増やす方法として「挿し木」を思い浮かべます。若い元気な枝を選び、剪定ハサミで葉先から2~3節目くらいのところをチョキッと切って鹿沼土に挿す。時期は花をつける今の時期。根が出てきたら、9月頃にお好みの場所に植えるようです。
1株1株が大きく育ち、株と株の間がだいぶ狭くなってきたら植え替えます。根を痛めないようにして、栄養が行き渡るよう枝を詰め、腐葉土で根元を保温。
あじさいの株分けは、地中で根っこが意外と大きく育っているので、かなりの力仕事になってしまいます。地植えする時は、できることなら予め株と株の間を余裕を持たせて植えるのが良さそうですね。
花を存分に楽しんだ後は、綺麗な花を咲かせてくれたあじさいへの感謝と、「来年も咲いてね」という気持ちを込めて、剪定をします。
花が終わった7月頃に、花から下1~2節の所から切り落とします。切り落としたその下の茎と葉の根元から出てきた芽に来年の花が咲きます。なので、切り過ぎると花が咲かなくなってしまうので、要注意です。
あじさいをはじめとする植物は、私たち人間と同じように「水」と「酸素」を糧に育ちます。喉が渇けば水をやり、お腹が減ったら肥料をあげる。そして、愛情をたっぷり注いで、綺麗な花を楽しんではいかがでしょうか。
夏本番を前にこの時期避けて通れないのが、梅雨。これからじめじめとした天気が続きますが、その一方で雨に咲くあじさいを楽しむことができるのもこの時期ならでは。雨の日には物に当たる雨の音、土や緑が混じった雨のにおい、霞がかった景色など五感をフルに働かせると何気ないことですが気がつくことがあります。雨だからといって出不精にならず外に出かけてみてはいかがでしょうか。
日本を代表する江戸の絵師、葛飾北斎。
作品名は「あじさいに燕」。
地表近くをつばめが飛ぶときは雨が降ると言われています。あじさいの花と共に、日本の梅雨の情景を描いたのでしょうか。
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