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成田山には、大本堂以外にもその広い境内には、数多くの見所があります。
これまで、仁王門、三重塔、釈迦堂をご紹介してきました。
今回は、成田山新勝寺参詣の穴場ともいえる、出世開運稲荷(通称出世稲荷)についてご紹介します。
出世稲荷は、釈迦堂前の小高い丘の上に位置します。
総門を通り大本堂を正面に左手に進み、正面の長い階段を登ると、左手に出世稲荷があります。
そのルートとは別に、旧街道を通り、出世稲荷へと詣る穴場的なルートがあり、こちらもオススメです。
表参道を成田山方面へと進み、上町を抜けます。
左手に薬師堂があり、道が二股に分かれています。
これを左へ、幸町方面に進みましょう。
佐久間菓子店と成毛家旅館の間にある細い道は、古から続く、ひっそりとしたお詣り道です。この道は、車道からも離れますので、静かでゆったりとした時間が流れています。
しばらく進むと、緑の木立が広がり、神秘的な雰囲気が漂います。
そこは、成田山の敷地。
成田山三学院が見えてきます。
成田山三学院とは、成田山の将来を担う法資(仏弟子)を育成する「発心院」、真言宗智山派並びに成田山の教師を育成する「勧学院」、成田山が招いた外国人留学生の勉学する施設「修智院」のことです。
成田山の修行僧達の学びの地。聖域とも言えるでしょう。
学院内に入ることはできませんが外観をご覧になることができます。
成田山三学院を過ぎると、右手に出世稲荷の手水舎が見えてきます。
手水舎の後ろには、可愛らしいお地蔵様が立ち並び、参詣客をお迎えしています。
成田街道の道しるべもあり、昔からご信徒様がこの道を通って参詣していたことがうかがい知れます。
手水場で手を清めよう。
ほっこり。和みのお地蔵様。
さぁ、それでは、出世稲荷にお詣りしましょう。
鳥居の脇にある売店では、おばあちゃん達が油揚げと蝋燭やお狐様のお人形を売っています。
お狐様の好物の油揚げと蝋燭を捧げるとご利益が得られる。と言われており、蝋燭は灯明した後に、
お持ち帰りになって、ご自宅で灯明してご利益をいただくこともできます。
お狐様のお人形も一つ一つ手書きで描かれています。
可愛らしく、温かみがある顔を見比べてみるのも面白いですね。
チャキチャキチャキ。小気味いい音で、油揚げやお人形に火打石を鳴らしてくれます。
出世稲荷の御本尊は、江戸時代に成田山を篤く信仰した佐倉藩主・稲葉丹後守によって寄進された御尊像です。「出世開運稲荷」と称されて、商売繁昌・開運成就・火伏せのご利益があると伝えられています。
毎年2月の祭礼では、大法会が厳修され、特設舞台で神楽の奉納や甘酒接待が行われ、多くの善男善女で賑わいます。
※2021年は、2月15日(月曜日)に「出世開運稲荷祭礼大法会」が執り行われます。
(2021年は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、神楽の奉納は中止となります。)
鳥居をくぐると、紫色の垂れ幕や紅白旗、ひときわ目をひく大きな提灯が奉納されています。
商売をしているご信徒様が、商売繁昌・出世開運を祈願し奉納されるそうで、成田山のお詣り月である正五九には多くのご信徒様がお詣りに訪れ、お正月の元旦だけでも約600枚もの紅白旗が奉納されるそうです。
鳥居の脇にある狐も奉納されたもの。
鮮やかな紫と紅白の旗が神秘的な雰囲気をかもしだす。
現在のお堂は、1888年に再建された総欅造りのお堂です。
朱色を基調として、金色、青色、緑色の極彩色に彩られた色彩が美しく、龍や獅子のきらびやかな彫刻が
施されています。
お堂の正面に施された彫刻には、天女の姿が。出世稲荷の本地仏。荼枳尼天(だきにてん)です。
神仏習合思想において、仏教における荼枳尼天(だきにてん)が本地仏として仏教寺院で祀らており、
成田山の出世稲荷もそのひとつです。
茶枳尼天とは、サンスクリット語で空を歩く者という「ダーキニー」で、元々は古代インドの農業の神様でした。
インドの神話においては、人を食らう恐ろしい神様でしたが、仏教界で大日如来の霊力に心服し、
白狐に跨がり豊作をもたらす善神となったと言われています。
鮮やかな色彩のお堂。
お揚げやお人形があがる。
きらびやかな彫刻を楽しもう。
絵馬にも白い狐がデザインされていました。お願い事を書いて奉納しましょう。
出世稲荷から見下ろす成田山新勝寺の景観も素晴らしく、心地よい風を肌で感じ、
とても晴れやかな気持ちになれることでしょう。
右手には成田山境内が一望でき、左手には奥山広場があります。
絵馬はもちろん!白狐!
成田山を一望できる高台。
1月。参詣客で賑わう奥山広場。
奥山広場には、お土産物屋さんや飲食店さんが軒を連ねています。
その土地のお店の方々との会話も、旅の楽しみのひとつですね。
広場の大本堂側には、易断所が並んでいます。
人と人との温かな触れ合いと、のんびりとした時間が楽しめると思います。
ダルマや招き猫など。招福にちなんだお土産がずらり。
食堂や土産店が軒を連ねる。成田弁が聞けるかも?!
占い処。休日は多くの人で賑わいをみせる。
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